MEISTER ブログ
できれば 冷却水も交換しましょう。
エンジンはガソリンを燃焼した時の熱エネルギーを運動エネルギーに変換する装置です。
変換効率が100%であれば外に熱はでませんが、
ガソリンを燃焼したエネルギーのうち運動エネルギーに変換出来るのは30%程度です。
残りの70%はそのままエキゾーストに排出されたり、エンジンへと熱の状態で伝わったり、機械摩擦で熱になったりと運動エネルギーに変換されぬまま、熱して処理されます。
そこで必要になるのがエンジンを冷却するための冷却水です。
現在のBMWのクーラントはエチレングリコールを主成分とした、クーラントを使用しメンテナンスフリーとなっています。
(アナウンスがないため、新車時に充填されている物がプロピレングリコールの可能性がありますが、少なくともリペア、補充用の純正パーツの供給はエチレングリコールを主成分とした物が使用されています。)
エチレングリコールは有害物質で廃棄にも気を使わなければならない。
その点からもメンテナンスフリー化する方が、環境保護にもつながる。
皆さんご存知でしょか?
クーラントの役割はエンジンの冷却がメインだが、冷却効率だけを考えたら、ただの水が一番効率が良い。
しかし、不凍、防腐、潤滑、防錆などを考えたら
純水を使用出来ない理由はお分かりになると思います。
もう、お気づきになられたと思いますが、
上記の機能が必要なため、純水を使用せずクーラントを使用する限りクーラントの劣化と共に機能も低下します。
スパークーラントでも機能的に5年程度で交換した方良いそうです。
BMWにお乗りの方のほとんどが、クーラントの交換はされずウォーターポンプの交換など、
冷却システムのメンテナンス時に排出された分の
交換だと思います。
new standardでは純正と同じエチレングリコールを主成分としたスパークーラントと
プロピレングリコールを主成分としたスパークーラントを使用しています。
部分的な交換にはエチレングリコール製
少々価格は上がりますが、フラッシング、または、全交換される車両には
プロピレングリコール製をオススメしています。
プロピレングリコールは医療薬品や、保湿剤などに使用される。毒性が低い成分です。
尚、冷却効率的には、
1.純水
2.プロピレングリコール製クーラント
3.エチレングリコール製クーラント
となり、プロピレングリコール製は、環境保護だけでは無く冷却効率の向上にもつながります。
次回は冷却システムについてお話しします。
質問など、お気軽にお問い合わせ下さい。
先日、大変お世話になっている、デルオートさんに遊びに行きました。
BMWもZF製トランスミッションを搭載した車両が非常に多いので、色々技術交換してきました。
BMWのオートマチックトランスミッションのオイルはメンテナンスフリーになってますが、
本当にそれでいいのか⁈
良く聞く質問です。
エンジンオイルの交換インターバル25000km
は本当に大丈夫?
に次ぐ位(笑)
(エンジンオイルの事は近くコメントしますね)
本題に戻ります。
ディーラーに勤務していた頃質問されたら
「大丈夫です!」
と答えました。
それは、BMWが取り組む環境保護を否定しない為には必要な回答でした。
皆さんも分かっていると思いますが、
オイルは必ず劣化します。
劣化したオイルは潤滑性能が低下し
オイル温度も上昇し更に劣化が進みます。
オイル交換せず、長距離走行した車両のオイル交換は確かにリスクは有るかと思いますが、
それでもオイルは交換した方が良いかと思います。
「オイル交換するとトランスミッションが壊れる。」
「トランスミッションオイル交換しない方がいい。
と言う方々おりますが、
殆どの場合シフトショック修理依頼でまず先に行うのは、オイルの点検と交換です。
何だか矛盾してますね(笑)
「変えても大丈夫かな?」
と言う距離になる前に、交換しましょう!
勿論、オイルも選ばなければならないので
信頼できるお店でやりましょう!
いつかその時が来ると思っていましたが…。
実際に来るとかなり凹みました。
N63 エンジンのクーラントエンドカバーから、クーラント漏れです(涙)
トランスミッション脱着して修理します(涙)
熊本、九州地方の地震のご被害、心よりお見舞いを申し上げます。
大きな力にはなれないと思いますが、
私なり支援をして行きたいと考えております。
一日も早いご復旧をお祈りいたします。
写真はBMW可変バルブタイミングのVANOSユニットです。
異常にお気づきでしょうか?
VANOSユニットのボルトが折れています。
エンジン不調&異音でお預かりしましたが
異音の状態、ディフェクトメモリーから
まず、ヘッドカバーを外したところVANOSユニットのボルトが2本折れていました(汗)
下の写真で分かるように、スプロケットとカムシャフトとの結合はアルミ製のボルト4本です。
そのうち2本が折れていた!
運が悪ければ…。
エンジンから異音がしたら早くエンジンを止め
レッカーで整備工場へ!
あまり起きて欲しくありませんが、
同じアルミ製のボルトを使用していますので
気をつけた方が良いかと思います。
アイドルコントロールバルブ
(アイドルバルブ)を清掃しましょう!
学習値リセットの話でアイドルバルブの清掃が
リセットの必要な作業とお話ししましたが、
アイドルバルブはアイドリング回転だけを制御しているバルブだと思っていませんか?
今現在(現行)アイドルバルブが取り付けられているBMWは存在しませんが、
まだまだ、走っているBMWの多くに取り付けられているアイドルバルブ。
実は、M52TU.M54.S54はエンジン低回転、低負荷時、充填効率向上によるトルクアップのため、
アイドルバルブと接続している、独立したラビリンスエアラインからエアインテークしています。
即ち、低負荷での発進時、スロットルバタフライは閉じたままアイドルバルブで車はエンジン回転数を上げ、前に進みます。
写真のように非常に小さなバルブになるため、
カーボンなどの汚れですぐ動きが悪くなってしまいます。
なんだか発進時のトルク感がなくなったかな?
と感じたらまず、アイドルバルブの清掃をするのも良いかも知れません。
勿論、診断は必要ですが。
new standardでは、ディフェクトメモリーの点検と、アイドルバルブ清掃のセットで
¥8000〜作業しています。
アルミのプレート貼るよりは確実に良い結果がでますよ(笑)
ご依頼お待ちしています。
ここで、学習値リセットをしない方が良いと言うことを、少々難しくなりますがラムダ学習をつかって、実際の状況で考えて見ましょう。
まず、ラムダ学習ですが
空燃比制御の学習のことでインジェクター制御に
必要な学習になります。
モデルはN52にしましょう。
6気筒を1.2.3シリンダー(バンク1)と4.5.6シリンダー(バンク2)に分けます。
5番シリンダーのインジェクターが汚れによって
他のインジェクターより著しく噴射量が少なくなっているとしましょう。
上記の状態ではバンク2は相対的にリーンバーン(希薄燃焼)になります。
DME(エンジンコントロールユニット)はバンク2の
ラムダ値を目標値にするため、噴射時間(噴射量)を増加させ、また学習します。
勿論、その噴射量をバンク1にも適用させると
バンク1の混合はリッチになってしまいます。
そのためバンク2側のみ噴射量増加で学習が進み、
バンク1とバンク2の学習値に差がでます。
皆さんお気づきだと思いますが、
この状態で学習値のリセットをすると5番シリンダーのミスファイアが発生する可能性があります。
ごく稀に起こるのですがリセット後、学習するのに必要なある程度の安定状態が保てず、
学習が進まない状態に陥る事があり
そうなった時は修理が必要になります。
(上記の状態は間違いなく修理が必要状態だと思いますがww)
言えるのは
診断出来ない!良くわからない!
だから、学習値リセットします‼︎
なんて、ゲームをリセットする感覚で学習値リセットはしない方が良いと思います。
それだけは間違いないと思う(笑)
今回は良く質問される、
「学習値のリセットはしない方がいい?」
について考えて見ましょう。
まず、学習値とは何でしょう?
SMGのクラッチスリップポイントの学習
スロットルバタフライの学習
インジェクター制御のラムダ学習
など、色々ありますが、車を走らせるにあたって重要アクチュエーター(モーターや駆動部品)の制御にはセンサーをモニターし動きを学習します。
簡単に言えば、製造による個体差や使用による経年劣化に対応するという事です。
本題に戻りますが、上記のことを考えれば
学習値リセットはあまりオススメしません。
だた、診断の過程で状況を理解し
リセット後の結果、学習値の進み方などが
診断のヒントになる事も多々あるのでその時は
僕も、リセットします。
もちろん、新しく(中古でも)パーツを取り付けた場合は必ずリセットします。
それは、必ずやってもらって下さい。
また、スロットルバタフライやアイドルコントロールバルブの清掃後も学習値のリセットが必要です。
E60 M5 クラッチ交換。
「変速時に強いショックがあり、それと同時にトランスプログラムの警告灯が点灯する。」
と言うご用命で点検。ロードテストをしたが症状の確認はできず。
テスターにてディフェクトメモリー(コントロールユニットのエラーコード)を確認したところ。
2~3速への変速不良のメモリーがあり。
ハイドロリックポンプ作動状態も正常で、
今回は症状が確認できなかったこともあり、ディフェクトメモリーの消去、
SMGの再学習でしばらく様子を見ていただくことに。
SMGの学習で加速度センサー、クラッチストローク、ギヤチェンジの学習は正常に終了するが、
クラッチのスリップポイントの学習でエラーになり学習できない(汗)
学習ができていないので、トランスプログラムが点灯しまともに走行できない(汗、汗、汗)
今回の状況から、クラッチのセンタープレートの動きが悪くスリップコントロールが
うまくできていないと思われますが、開けてみないと...。
ヘビー級のマニュアルトランスミッションを外しクラッチ確認!
やはり、クラッチのトラブルでした。(ホッ)
自信がないわけではないのに、なぜか心配になってしまう。(笑)
その緊張感があるから、得られる達成感も大きいのだと思います(笑)