MEISTER ブログ
E90 M3の修理です。
スロットルバタフライの電動アクチュエーター
に不具合があり、警告灯が点灯し出力制限されてしまうトラブルです。
不具合頻度は非常に低いのですが、
出力制限されてしまう事もあり
電動アクチュエーターの交換をしました。
E90/E92のS65エンジンはM3では最初で最後のV8エンジンです。
スロットルバタフライも8個あり
各バンクごとに(片側4個のスロットルバタフライ)1個のスロットルバタフライアクチュエーターがあります。
その2個の電動アクチュエーターは1個のアイドルコントロールバルブと共に狭いVバンクに収納されています。
M社の修理時何時も思うのですが、
パーツ一つ一つに美しさを感じます。
インテークタンクに隠れて見えないスロットルバタフライに
みなさんもロマンを感じませんか(笑)
E85 Z4のソフトトップ修理
Z4のソフトトップ不動で入荷した車両です。
ポンプモーター不動の為ポンプ交換しました。
ポンプ交換にはソフトトップを車両がら取り外しての作業になる為だいぶ大変な作業になります。
故障の原因は排水ドレンの詰まりの為
モーターが水没し錆びていました。
これから始まる梅雨に向けて
こうなる前に日頃のメンテナンスは信頼できるお店で。
写真は N43エンジンのインテークバルブです。
ダイレクトインジェクションシステムのため
インテークバルブにガソリンは当たらず
ガソリンの洗浄作用も効果はありません。
また、洗浄が目的のガソリン添加剤もインテークバルブの汚れを予防する事すら難しい。
写真の様な状態になってしまったら
手作業で清掃するしかありません。
バルブトロニックも非装備のため
インテークバルブ付近の流速を上げる為に
たまには高回転運転を心掛けて下さい。
冷間始動時にエンストなどのトラブルがある時は
インジェクターの原因もありますが
インテークバルブが汚れている可能性もあります。
数の少ないエンジンですが、
不具合でお悩みの際はご相談下さい。
年度末のバタバタから中々抜け出せず、
ブログの更新を怠ってしまいました。
先日ALPINA B7が入庫しました。
BMWファンには言わずと知れた
BMW Mと肩を並べるプレミアムカーですね。
ALPINAはBMWのtuning carで、
僕個人的にはサーキット走行を目的とはせず
普段の走行をより楽しめる。
そんな車だと思っています。
非常にジェントルな感じな車です。
年間生産も2千台位で価格もプレミアム価格です。
ディーラー勤め時代も都内で勤務していた頃は
数多くメンテナンスしましたが、中々触る機会が少ない車です。
今回はリアアームボールジョイントの交換で入庫しました。
車を心から愛していらっしゃる方で
大半のことはご自分でメンテナンスをしているそうです。
車を、長く愛し乗り続けるのには
自分で出来る事は自分でやる。
非常に必要な事ですね。
僕もそうですが、サーキット走行をメインに車を、所有していた頃は次のプランを考え、その整備をしている時が一番楽しかった。
出来ない事はやりますので長く愛してあげて下さい。
ステッカー作りました。
new standardでメンテナンスをして頂いた方に
ご希望であれば貼らして頂きます。
エンジン交換も無事終わり
原因の究明結果です。
エンジンを分解して分析した結果
ウォーターハンマーによる破損でした。
1.3番シリンダーにほぼ損傷は無く
4番シリンダーコンロッド折れ
2番シリンダーコンロッド曲がり
点火順序は1-3-4-2になる為
4番シリンダーが大量な水を吸い込み
残りを2番シリンダーが吸い込んだと言う感じだと思われます。
中古車で購入後すぐに起きたトラブルで
インテークマニホールドに水が溜まっていなかった事からも
前所有者がウォーターハンマーを起こし
コンロッドが曲がったままオークションに流れてしまったと推測されます。
この様なトラブルは高速走行中に起きたらと
考えるとゾッとしますね。
事故が無かったのは不幸中の幸い
だったのでは…。
この様な悪質な車両は少ないとは思いますが
中古車購入後はしっかり車両の状態を判断できる
お店で点検を受ける事をオススメします。
BMWはしっかり整備すれば、
長く乗れる車ですから。
もう直ぐ春を迎える中
少々遅い感じもしますが、
寒くなると増えるヒーターの効きが悪いと言う
トラブルのお話です。
このトラブルは夏場はオーバーヒートにもつながる話です。
原因は色々ありますが…。
例えば、ヒーターバルブや、エアミックスフラップのアクチュエータ、補助ウォーターポンプなどの制御側の故障。
この類のトラブルはオーバーヒートにはなる恐れは少ないですね。
厄介はトラブルはクーラントの劣化です。
クーラントについては以前お話ししましたが、劣化します。
それはメンテナンスフリー化されたスーパークーラントでも起こります。
クーラント漏れを経験した事がある方も多いかと思いますが、漏れている部分を見るとクーラントが乾燥して結晶化しているのを見た事があるかと思います。
外部で起こる分には問題ないのですが、
エンジン内部でも起きています。
特に通常のロングライフクーラントを使用している車両は
クーラントホースを外すとホース内が真っ白になっている事もあります。
(使用年数、クーラント濃度などで左右されると思いますが。)
この結晶が流れの遅い所に蓄積します。
近年のBMWは多くの車両でエアミックスでの
ヒーター/エアコンディショナーシステムを制御しています。
即ち、運転席/助手席での個別ヒーターコア温度制御は行わず。
そのため、常に一つのヒーターコアには
クーラントが流れ続けます。
ヒーターコアへのクーラントは車両左側から出入りしています。
ですので右側はエンジン回転が低い時
クーラントの流れは非常に遅くなり、
クーラントの結晶物がたまりやすく、最悪詰まります。
補助ウォーターポンプが停止していると更に詰まりやすくなると思われます。
ラジエーターもサーモスタットが開いていないと
クーラントの流れは遅いので
結晶物がたまりやすいです。
ラジエーター下部にはトランスミッションオイルクーラー用に使われている車両が多いので
トランスミッション故障の原因にも繋がってしまいます。
写真はヒーターコアの交換作業の写真です。
作業はヒーターユニットの脱着が必要になります。大ごとですね。
new standardではスーパークーラント以外の
使用はしていませんが、スーパークーラントでも
劣化し結晶物が出てしまうため、詰まりが起こる前に(4〜5年)交換オススメしています。
止むを得ず通常のロングライフクーラントをご使用の場合は
2年毎交換して下さい。
スーパークーラントは価格が高いですが、
交換年数、工賃を考えたら安くつくと思います。
補助ウォーターポンプの故障もヒーターコアの詰まりを引き起こし易くなるので、
ほっておかない方が良いかと思います
クーラント漏れ止め剤は絶対やめた方が良いです。
長くなってしまったので
補助ウォーターポンプの話はまた今度お話ししたいと思います。